1972年生まれ
株式会社ビーンズ・カンパニー 輸入車販売店owner
胸椎3番4番後十字靭帯骨化症(難病指定69番)という難病になり手術後には主治医から一生車椅子での生活になるとの診断をうけるが、五動リハビリにより日常生活レベル以上の歩行を可能にした
  

はじめまして、田中厚二と申します。

始めに私の難病の経緯を書かせていただきます。少し長いですが一読いただけたら幸いです。

2017年11月に胸椎後縦靭帯骨化症(きょうついこうじゅうじじんたいこつかしょう)を発症(のちに病名を知る)。
2018年1月腰椎脊柱管狭窄症(ようついせきちゅうかんきょうさくしょう)の手術を受ける。
この時は4番5番の手術。
術後、症状は右足が上がりにくくなり、つまずくことが頻発に起こるようになる。
2018年8月に同じ腰椎脊柱管狭窄症の2度目の手術を受ける。
この時は3番4番の手術。
症状は右足の感覚麻痺及び、左足に痺れのようなものがある。
2018年12月に胸椎後縦靱帯骨化症を発症。
胸椎3番4番辺りから下半身まで麻痺になり、名古屋大学医学部付属病院にて緊急で手術を受ける。
この時の手術時間は7時間半におよぶ。
背骨をS字からアーチ型のプレートを使用してボルト26本で固定し、骨化した部分で圧迫していた脊髄の神経の解離手術を行なう。
手術前に主治医から右足に関しては症状が重く、回復する見込みは0と診断され、『左足がかろうじて動かせるくらいにはなるでしょう』と伝えられる。案の定、手術中に足の神経の信号が途絶えたことにより、今後は車椅子での生活になるだろうと告知を受ける。
名大病院で2ヶ月、済生会リハビリ病院5ヶ月の入院、リハビリを経て退院する。
退院時は”ルフストタイプ”の杖を両腕ともに使用。また、膝上までの装具を両足に装着して歩行を行なう。
退院後は自宅でルームランナーにて歩行練習。
治療は入院3ヶ月後に上部のコルセットを外した時から、鍼治療をしてもらう。
鍼治療は2019年3月から2024年7月まで施術してもらう。(週一回)
治療法は鍼治療、お灸、ハイボルト、筋膜リリース、電気治療。
2023年8月から杖の使用を卒業する。

毎日のリハビリは欠かさず行なってましたが、右足の感覚麻痺と運動能力は徐々に回復してきたものの、普段の生活には不自由なことがたくさんありました。

生活での問題点】
①床に座ることができない
②砂利や砂など舗装されていない不安定なところでの歩行
③段差による弊害
④荷物を持っての歩行
⑤立ちっぱなし
⑥車の運転
⑦スリッパを履いて歩けない
⑧階段の登り降り(特に下り)
⑨坂道歩行
⑩電車やバスなど公共交通機関
など、生活していくのに不自由なことがたくさんありました。

体の感覚での問題点】
①右足の感覚麻痺による歩行障害
②肩甲骨辺りの感覚麻痺
③関節に緊張が入り、曲げ伸ばしが困難
④足裏の感覚が鈍く、厚底などのシューズを履くと緊張が上がり疲労がたまる
⑤左足の張りが非常に強く、曲げ伸ばしが困難
⑥首廻りがガチガチに緊張することにより、偏頭痛になりやすい
⑦足の指先が反り上がり、体のバランスを崩しやすい
⑧筋肉疲労が溜まりやすい
⑨歩行中右側の広背筋が動いていないので、右側から体勢を崩しやすい為、長い時間の歩行が困難
⑩反射が起こりやすく、ふくらはぎがよくつりました(痙攣)
など、胸椎から下半身にかけて感覚が鈍いところ、緊張が抜けやすいところ、足の裏の感覚の鈍さから常に意識して歩行しなければなりませんでした。

2024年2月から始まった五動真体操作術の前川隆治さんの指導は、シューズ選びから始まりました。
そして、LSD(long slow distance)を取り入れたトレーニングを知ります。

脚の末端部から、”ゆっくり、正しく、丁寧に”動かすトレーニングにより、先ずは左足の緊張による張りが取れ、屈伸ができるようになりました。
今までの歩行は左足を棒にして支えとして機能していました。
膝の曲げ伸ばしができるようになったことで、歩行距離も伸び、嫌な張りも出ずに、歩行ができるようになりました。
右足ですが、足裏の感覚が出てきました。特に小指球から踵(かかと)までの外側部分です。ここに感覚が出てきたことで、歩行時の運動神経への伝達があり、安心して歩行できるようになりました。また、今までは太ももの前の部分を使って歩行してましたが、臀部(尻の部分)を動かせるようになったことで、背中の広背筋の動きも感じられ、歩行に安定性がでてきました。

日常生活での変化ですが、立つ座る動作から、砂利道など不安定なところでの歩行も恐怖感も無く問題なくなりました。上り下りの坂道などの歩行も同様です。

荷物を持っての歩行。
仕事がら、ポリッシャーを使用しての車磨きや洗車。
床に座ること。立つこと。
靴の脱ぎ履き。
などなど、できることがたくさん増えてきました。
地道なトレーニングですが、自分の体と向き合うことで、自分を知ることになります。今日の自分と会話しながら、時には体を褒めながら、1歩ずつ成長できる喜びを感じています。

僕のように一度体の神経の伝達がオフになった人は、健常者の時に戻ることは大変だと思います。

医者から伝えられる言葉を真に受けて、治らないと摺り込まれてしまう世の中。難病と告知され、病院のベットで寝たきりになっていても、自分が信じていれば何かが変わります。

変わる為には、出会いが必要です。

自分だけでこの局面を構築していくことは大変難しいです。

だからこそ、サポートしてくれる方々に力をもらい、真の道を見つけて邁進すれば必ず体は応えてくれます。
僕は前川さんと出会い、自分の体と真摯に向き合うことで、体の可能性を知ることになりました。
段階を踏んで、体の機能をひとつずつ丁寧に動かしていくことを大切にしているこの指導法には、自分の想いも含めて無限の可能性を感じています!
継続は力なりです。
すぐに良くなることはありませんが、ちゃんと体に向き合ってると少しの成長が感じとれるようになります。小さなことでも喜びを感じられるようになってきますよ。
前川さんはわかりやすく丁寧に指導してもらえるので、人間関係を構築できる存在です。

僕のこれからの目標です。
まず、52歳で初めて授かった我が愛娘の為に、抱っこして一緒に散歩すること。

自転車の練習を手伝ってあげることです。
そして、自動車の運転ですね。
前川さんの指導を受けたことにより、アクセルワークは8割方コントロールできるようになりました。まだブレーキのコントロールが3割程度なので、徐々に精度をあげるよう頑張りたいですね。

これからの人生の楽しみのために日々LSD(long slow distance)を継続していきたいと思ってます。